課題
オックスフォード大学サイード・ビジネス・スクール(Oxford Saïd)は、タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)の世界大学ランキングで第1位に選出されたオックスフォード大学において、ビジネス、金融、経営学を学ぶ学部生および大学院生の教育拠点となっています。英国国内のみならず、世界中で高い評価を受ける名門校として、その地位を確立してきました。 同校のCIO(最高情報責任者)であるマーク・ブラムウェル氏は、「私たちの願いは、学生たちが明確な目的を持ってリーダーシップを発揮し、世界にポジティブな影響を与える次世代の社会起業家を育成することにあります」と述べています。
これまで、オックスフォード大学の学生や教職員は、長年にわたり大学独自開発のバーチャル学習環境(VLE)である「WebLearn」を利用してきました。しかし、運用を続ける中で、管理者側には利用者からさまざまなフィードバックが寄せられるようになります。具体的には、システムへのアクセスが困難であることや、インターフェースが煩雑で使いにくいこと、さらには外部アプリケーションや最新のデジタルツールとの連携において問題が生じているといった課題が浮き彫りになりました。
こうした状況を受け、大学側がデジタル教育戦略の策定に向けたコンサルティングを実施したところ、よりユーザーフレンドリーで直感的に操作でき、かつ拡張性に優れた堅牢なVLEの導入が不可欠であるという結論に至りました。
選定の経緯
2017年の夏、オックスフォード大学サイード・ビジネス・スクール(Oxford Saïd)は、厳格な比較選定プロセスの一環として、Instructure社が提供する学習管理システム「Canvas」の試行運用を実施しました。その結果、利用者から圧倒的に好意的なフィードバックが寄せられ、意思決定者たちは、Canvasが単に大学の教育・学習を支えるだけでなく、新たな可能性を切り拓く鍵になると確信しました。CIOのブラムウェル氏は、「Canvasの柔軟性と豊富な機能は、私たちにさらなる可能性をもたらしてくれました」と当時を振り返ります。「テクノロジーへの投資は、教育機関が先進的であり、イノベーションに意欲的であることを示す指標となります。それは学生にとっても魅力的な要素であり、入学先を選ぶ際の重要な判断基準になり得るのです」。こうした評価を経て、大学は2018年、新たな学習管理システムとしてCanvasを採用することを正式に発表しました。
Canvasの導入にあたり、同校は「Construct」の活用も開始しました。これはProversity社とInstructure社が共同で提供するサービスで、オーダーメイドのクリエイティブな学習設計、コンテンツ制作、コースデザインを包括的に支援するものです。サイード・ビジネス・スクールのプロジェクトチームは、このConstructを活用することで、11の学位プログラム、100近いモジュール、そして数千ページに及ぶ膨大なコンテンツの移行作業を大幅に加速させることができました。
「学生たちを真に支えるためには、テクノロジーが堅牢で信頼性が高く、かつ革新的でなければなりません。Canvasは、まさにそのすべてを兼ね備えています」
マーク・ブラムウェル
オックスフォード大学 サイード・ビジネス・スクール CIO(最高情報責任者)
オックスフォード大学のようなエリート校に対して、現代の学生はテクノロジーの使いやすさだけでなく、より魅力的でダイナミックな学習体験を期待し、求めています。同校はそのニーズに応えるため、テクノロジーの簡素化と進化を推し進めました。現在、管理者はこの新しいデジタルツールを、入学前の事前学習やオリエンテーション、キャリア形成支援、キャリアフェア(就職説明会)など、多角的な場面で活用しています。さらに、エグゼクティブ教育(社会人向け選抜教育)においても、離れた場所にいるクライアントに対して、より協調的で没入感のある遠隔学習を提供するためにこのシステムが活用されています。
Canvasへの移行とConstructの活用を振り返り、同校は「プロジェクトは予定通りのスケジュールで、予算を下回るコストで完了し、期待を上回る結果となった」と高く評価しています。 ブラムウェル氏は最後に次のように強調しました。「私たちは、テクノロジーへの投資を学生のために最大限に活用したいと考えています。学習体験とは非常に個人的なものであり、学生はそれを支えるために、最高かつ最も直感的なツールを求めているのです。世界クラスの学生体験を提供することは不可欠であり、Canvasがあればそれが可能になると信じています」
主な成果
- コンテンツ移行の加速: Constructとの連携により、11の学位プログラムと85のモジュールに及ぶ膨大な学習資産の移行を、わずか28日間で達成しました。
- ITサポート負荷の劇的な軽減: Canvasの導入後、大学のIT部門に寄せられるシステム関連の問い合わせ(サポートチケット)数は、以前と比べて80%も減少しました。
- 優れた拡張性: 毎年新しく入学する1,000名の学生に対しても、システムのパフォーマンスを落とすことなく柔軟にスケールアップ(拡張)が可能です。
- 利用者からの高い評価: 特に「モバイルアプリの使い勝手」「直感的なインターフェース」「充実したカスタマーサポート」の3点が、利用者から高く支持されています。
これからの時代を担う学修者のために